結局は無難に256GBのモデルに落ち着くんですよね。
実はここにも計算され尽くした脳科学マーケティングの仕組みが存在します。
この記事では1つの商品をいくつかのレベルに分けて販売することはマーケティングにおける常套手段を解説していこうと思います。
あなたのビジネスにもヒントとなる情報があるので参考ください。
- 2番手モデルを売る方法が分かる
- 意図的に商品モデルを増やすことで売り上げを増やせれる
こんにちは、『プログラミングの王様』編集部のヒロキ(@pgm_osama)です。
先日、一見常識外れな価格戦略として、品質・内容が明らかに劣る商品を並べることで、売りたい商品が魅力的に見えるおとりマーケティングについて解説しました。
今回は、異なるおとりマーケティングとして、ハイエンドの商品ではなく2番手のモデルの売り上げを伸ばす方法をご紹介します。
iPhoneで一番売れるのは256GBモデル
新型のiPhoneの発売が発表されましたね。
アップル社は常に、商品を販売する際に
- 必要最低限の廉価版
- 通常の標準版
- 機能豊富な上位版
といったバージョンでセールスを行います。
容量の64GB、256GB、512GBで価格も上下を付けていきます。
こうして3つの価格モデルを並べることで、結果的に真ん中の標準版が妥協案となり一番購入されています。
極端に値段が高くもなく、低くもないものが選択されやすいということです。
なぜ、2番手価格の商品が選ばれるのか?
スタンフォード大学が、消費者グループにiPhoneを選ばせる実験を行いました。
Aグループには
最上位機種の512GBと廉価版の64GBの2種類から選ぶように伝えました。
Bグループには
最上位機種の512GBと廉価版の64GBと、真ん中の256GBを入れた3種類からの選択を伝えました。
この結果、Aグループでは2つのモデルが半分づつと分かれたのに対して、Bグループでは真ん中の256GBを約70%の人が選びました。
廉価と高価の間にある真ん中が合理的な妥協案と考えられたのです。
ハイエンドを追加することで妥協案が売れる
こうしたハイエンド商品をおとりに使うことで、セールスに成功している業種が外食産業です。
値段が高い牛ヒレのステーキセットをメニューの最初に大々的に掲載することで、この商品の注文を生み出すことよりも、他のメニューを妥当な価格と錯覚させる効果を持たせているのです。
高級な商品は、それ自体が品質の良さから顧客に支持される可能性も十分にありますが、それが顧客のアンカー価格(基準価格)となることで、他の商品が妥協案として選ばれることを強く誘導する効果があります。
たとえハイエンド商品が大きな売り上げを作らなくても、2番手や真ん中の価格帯の売り上げを伸ばすために貢献することができるということです。
こうした価格設定における巧みな誘導スキルを理解することで、商品設計の段階からマーケティングを意識して取り組むと、大きな成果に結びつきます。
しかし、2番手を売りたいために、逆にバリエーションを豊富にし過ぎて、選択肢を増やし過ぎると売り上げは減少しますので、そこは注意しながら価格設定と商品バリエーションを組み立てていきましょう。