こんにちは、『プログラミングの王様』編集部のヒロキ(@pgm_osama)です。
マーケティングという世界は「アート(非科学)性が強い」と思われがちですが、成果を出すには再現性が重要だと思っています。
つまり「科学的に説明ができるか?」ということです。
だから脳科学マーケティングを勉強するほどに、アフィリエイトでも、どんなネットビジネスでも応用できると実感しています。
今日は「あなたが会社での仕事や、自分のビジネスにおいて売り上げを伸ばす必要がある際に使える非常識とも言えるやり方」を紹介します。
売りたい商品にピンポイントで誘導する技術が分かる
比較を好む脳の構造を利用する
選択肢が増えるとストレスを感じる
選びやすくしてあげることも価値です
まず、最初のステップとして「あなたが売りたい商品やサービスと似ているけど、中身の内容が明らかに劣るものを同じ価格で提供」してください。
おとりを使い誘導する心理技術
囮(おとり)となる商品をわざと作ることで、別の商品(=売りたい商品)をよりお買い得に感じてもらう心理技術です。
例えば、育毛剤を購入しようと薬局に行った際に、陳列棚に並べられた数種類ある育毛剤を見ながら「どれにしようか?」と顧客は悩みます。
その中で1つの商品がPOPで紹介され(オススメ)の文字とともに売り出されているとします。商品を手に取り、内容を見ても無難で問題もなさそうです。
しかし、その隣にこの商品と同じ商品ながら、容量が増量された商品がありました!さらに価格はなんと通常サイズと同じです。
もう数秒、他の育毛剤を一通り物色するも、さっきの大容量と圧倒的に違いがある商品はなさそうです。
こうして、多くの種類が陳列された育毛剤の中から、悩むことなく購買行動へと変化した心理こそが、おとりを活用したマーケティングです。
この場合は、POPで派手に紹介された目を引く通常サイズの育毛剤がおとりになっています。
脳は比較が大好き
こうした、おとりマーケティングでは「相対性」が重要な要素となります。私たちは価値を常に相対的に比較して判断します。
デューク大学で心理学と行動経済学の教授をしているダン・アリエリーは雑誌の定期購入マーケティングにおいて以下の実験を100人に行いました。
案内A
1:月額6000円でウェブ版だけの購読(68人が購入)
2:月額11000円でウェブ版と雑誌のセット購読(32人が購入)
案内B
1:月額6000円でウェブ版だけの購読(16人が購入)
2:月額11000円で雑誌だけの購読(0人が購入)
3:月額11000円でウェブ版と雑誌のセット購読(84人が購入)
このオファーの違いは、案内Bに雑誌だけの購読で11000円という、明らかに見劣りするオファーを盛り込んだことで、セット版を申し込む人が62%増え、結果的に大幅な増収になったということです。
おとりとなる商品を盛り込むことで、セット購読がいかにお得なのかを心理操作したのです。
宿泊ホテルでもよく見るおとりのプラン
こうしたおとりによる心理操作は、ホテルの宿泊プランで頻繁に見ることがあります。
同じ部屋でありながらも、
Aプランは素泊まりで1人8000円
Bプランは朝食付きで1人8000円
を並べて紹介することで、Bプランが選ばれるように意図的にセールスを行います。
消費者は選択肢が増えるとストレスを感じる
不動産業者はよく同じ価格帯の家を何軒か紹介する中で、もっとも望ましい(売りたい物件)ものを最後に残します。
これも、おとりマーケティングのひとつです。
特に、最後の1つ前の物件が明らかに劣っている部分が多い物件の場合は「最後の物件を売りたい意図」が確実にあります。
こうした家選びなど高額な商品の購入時には「脳は相対的な比較をして決断をすること」を意識しますが、同等の魅力的な2つの選択肢から選択を迫られると、急に脳はストレスから苛立ちを示してしまいます。
そこに、さほど魅力的でない選択肢が加わることで、意思決定の選択をする過程がよりスムーズになるのです。
今日どの服を着ていくのか?
選択肢が多すぎると服選びもストレスになることと同じですね。
選びやすくしてあげることも価値になる
そもそもビジネスとは顧客に価値を提供して、お金を受け取ることです。
脳科学マーケティングは人間の根源心理(潜在意識レベル)に語りかけるので効果は絶大ですが、見込み客が必要としないものや、欲しくないものを無理に買わせるテクニックとして使うことはオススメしません!
しかし、顧客が必要とする商品やサービスを手に入れるために、正しい方向へ背中を押してくれる何かを求めているのも事実です。
似たような商品が陳列された育毛剤の中から「ストレスを感じることなく自分が購入する商品を決められた!」のは、おとりマーケティングのおかげです。
ほとんどの企業や個人は、提供する全ての商品を売ろうと努力をしてしまいますが、その選択肢の中に「魅力に欠けるオファーをわざと紛れ込ませることで、顧客に不利益を与えるのではなく、より好ましく成約に導く」ことも大きな価値ではないでしょうか?
顧客が買うべきものを選びやすくすることも「価値になる」という視点で上手におとりマーケティングを使って頂ければと思います。