こんにちは、『プログラミングの王様』編集部のヒロキ(@pgm_osama)です。
今日も脳科学の視点からビジネスに役立つマーケティングスキルを解説しようと思います。
値段と人の感情の関係性が分かる
値段が高いと満足度が上がる
しかし値段が高いと購入時の心理的な痛みは増す
消費者が価値を認知している商品は値引きもあり
商品やサービスにおける値段と人の感情の関係性について、心理学の視点から多くの発見があります。
スタンフォード大学とカリフォルニア工科大学の研究者たちは「1本500円の格安ワインよりも1本5万円のワインを飲んでいる時の方が、人の脳はより大きな快感を感じている」ことを発見しました。
「値段が高いワインの方が本当に美味しい」と思って味わっているのです。
脳は高額なモノをありがたがる
価格は、その商品との体験を現実的に変化させています。これはfMRIを使い脳の活動データからも実証されています。
ワインだけでなく、高額な栄養ドリンクを飲んだ人は安価な栄養ドリンクを飲んだ人よりもパズルを解くスピードが早まったり、頭痛薬も値段が高い薬を飲んだ人の85%が痛みが軽減したと報告したが、同じ頭痛薬でも安い頭痛薬だと伝えて飲ませた場合は60%しか痛みが軽減されたと報告がありませんでした。
同じ薬であっても、値段の差で25%の効果(実際に被験者が実感した効果)の差が生まれたということです。
このような研究結果から「人の脳はより高額な商品やサービスをありがたがる」という認識が実証されたのです。人は高額のものほど満足度が高くなるということです。
値段が高すぎると痛みを感じるし、高額でないと満足度が得られない矛盾
ここでマーケティングにおいての矛盾が生じます。
商品やサービスの値段が高すぎると認識すると、人は支払い時に痛みや苦痛を感じるので、商品が購入される可能性が低くなります。
その一方で商品やサービスに対して高額の料金を支払っている人ほど「商品やサービスを堪能して、満足度が高い」という矛盾です。
では、私たちは商品の価格について、どのように考えれば良いのでしょうか?
高価なモノが満足度を押し上げるのは購入して消費した後だけ
結論としては「消費者に受け入れられて、なおかつ利幅と売上高の適切なバランスを生み出す価格を設定」しなければいけません。
高級品やブランド店にとっては、価格もブランド体験の重要な一部です。高級ブランドが安売りを始めた途端に崩壊する事例は山ほどあります。
消費者にとっては支払う値段がいくらなのかは問題ではありません。
被験者にとっては実際に飲まなくても500円のワインより5万円のワインの方が美味しいと感じているのです。
消費者がすでに価格を認知している商品やサービスに対しては、すでにその商品の価値を購入前から実感しているということです。
だからこそ「もし5万円で売っていると認知されているワインが、違うお店で1万円で販売されていても、同じく5万円のワインを認知するし、同時に購入に伴う痛みは大幅に軽減される」はずです。
値引きと値段設定について
すでに価格と価値が認知されている、信じられているものが、安い値段で売られていると、購入における痛みを軽減させながらも、満足度を飛躍的に向上することが可能です。
値段の設定とは「商品に対して顧客に十分に訴求できる程度に高く設定し、それでも多くの人に買いやすい価格!」という絶妙にバランスが取れた価格設定を目指しましょう。
でも、かなり難しいです。
まとめ:値引きは効果大
そこで私の提案としては「ターゲット市場に沿った価格設定をしながらも、そこから顧客の体験と満足度の質を下げない程度で値引きをする」ことをオススメします。
ということです。
実際、値引きや低価格は絶大な効果を発揮します。しかし値引きを安易にすれば満足度は激変してしまいます。
500円のワインが5万円のワインよりも美味しく感じられなかったり、頭痛薬の効きに影響したり・・・。
この顧客満足度の向上と購入時の痛みの軽減のバランスこそが、ビジネスにおいても成功のキーファクターなので、あなたのビジネスにおいても絶妙なバランスで取り入れてチャレンジしてみてください。